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早朝ランニング健康法

早朝ランニング健康法の嘘

人間の体は起床直後の運動には不向き

医学の進歩により、寿命が延びて高齢化社会が進行する一方、国の保険制度は財政難に。

病気になって病院に行けば、個人にかかる負担も昔に比べて随分高くなった。

こうなると、いかに病気にならずに過ごすかが一人ひとりにとって重要な課題となる。

健康への意識が高まった結果、仕事帰りや休日にスポーツをする人が増え、街中にあるジムは注目を集めている。

中でも、ランニングはお金もかからないので、幅広い層に人気のある運動。

走る時間帯も自分の生活に合わせられることから、朝起きて出勤前にひとっ走り、という人も多いに違いない。

朝早い時間は空気が澄んでいて爽やかな気分で走れるので、健康にも良さそうだ。

ところがこの早朝ランニング、健康に良いどころか、事実は正反対。目が覚めた直後のランニングには危険がいっぱいなのである。

人間の体は、目が覚めてすぐに体全体が動かせるようになるわけではない。

人間が活動する上で欠かせないのが、自律神経系である。

これがないと、内臓や血管を適切に動作させることができない。

自律神経系は交感神経系と副交感神経系の2つで構成され、眠っている時と起きている時で切り替わる仕組みになっている。

眠っている時は副交感神経系が働く休息モードになり、起きて活動する時は交感神経系が働く緊張モードとなる。

だが、この2つは家電製品のスイッチを入れるようには切り替わらない。

起きて歯を磨き、服を着替えているうちに、徐々に緊張モードが働き始める。

ちょうど、自動車のエンジンをかけた直後は暖機運動が必要なのと似ている。

いきなりアクセル全開では走れないのだ。

心筋梗塞などの危険性を伴う早朝ランニング

つまり、起きてすぐのランニングは、自動車でいう「暖機運動なしのアクセル全開」に等しい。

自動車に乗る人だったら、エンジンをかけた直後にアクセルを踏み込んでみたら、思ったように車が反応しなかった、という経験があるのではないだろうか。

エンジンはかかっているものの、ギアやシャフトなど駆動系の部品が十分に温まっていないため、ドライバーの指示についてこられないのだ。

人間も同じで、交感神経が働き体が完全に目覚めるまで、自動車よりも更に時間がかかる。

その間、頭は起きていても体はまだ眠っている状態。

交感神経系がまだ十分に機能せず、身体機能としては非常に不安定だ。

更に、人間は睡眠中にコップ一杯程度の汗をかくが、起きたばかりの時は水分補給をしていないので、血液の濃度も高い。

そんな状態でランニングをすれば、血圧が上がり、心臓にかかる負担も大きくなる。

午前中の時間帯は心筋梗塞や脳卒中などを起こす人が多いと言われているが、ここまでの話を見れば、そんなリスクが高まることも理解できるのではないだろうか。

また、起きてすぐの運動は、温まっていない筋肉を無理に動かすことになるので、ケガもしやすい。

特に、気温の低い冬の早朝は避けた方が賢明だ。

更に、起床直後は免疫力も低下しており、最近にも感染しやすい。

ここまで、早朝ランニングが危険な理由を説明してきた。

これと反対に、夜のランニングはストレス解消につながる。

寝つきがよくなる、疲労回復になるといったメリットがある。

その一方で体温を上げることで眠りが浅くなるなどのデメリットもあるが、早朝ランニングほどのリスクはない。

したがって、ランニングを行うのであれば朝より夜の方がオススメだ。

だが、他に時間が取れないなどの理由で、どうしても朝に走りたいという人もいるだろう。

そんな場合はどうしたら良いのだろうか。

まず、睡眠中に減った水分を補うため、走る前にコップ1〜2杯の水を飲むことを心がけてほしい。

更に、起きて1時間ほど経ってから走り始めた方が良いだろう。

早朝ランニングのメリット

ここまで、早朝ランニングの危険性について話してきた。

しかし、朝走るメリットがゼロというわけではない。

起床直後は夕食から時間も経っており、体内のエネルギーが枯渇した状態。

そこで運動を行えば効率的に脂肪を燃焼できるので、ダイエット目的のランニングには適している。

ただし、危険性は変わらないので、無理は禁物だ。