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行方不明者数10万人

行方不明者数10万人の嘘

平成26年では90%が1年以内に発見されてる

日本の行方不明者数は毎年10万人と宣伝されており、そのような報道を聞くと10万人もの人間が1年間で行方不明になっているという事実に愕然としてしまう。

しかし、実はこのうちのほとんどは発見されているのである。

もっと正確な数字を見てみよう。

警視庁が出している「行方不明者の状況」によると、行方不明者の数が10万人を超えたのは平成13年から平成15年の3年間だけで、この時のイメージから毎年10万人という数字が定着してしまったのだろう。

その頃から行方不明者の数はだいぶ下り、平成26年には8万1193人となっている。

このうち、平成26年に発見されたのは、7万9269人であるが、この中から平成26年以前に行方不明になっており、この年に発見された者を引くと7万1875人となる。

つまり、平成26年に行方不明になった者のうち約90%は1年以内に見つかっている。

さらに、行方不明届が出された当日に見つかった者が2万6045人、2〜7日のうちに見つかった者が2万9617人であるので、これを合わせて、全体の発見者数で割ると、発見者数の実に70%は1週間以内に見つかっている計算になる。

もちろんこれは平成26年の1年間の行方不明者と発見者の数をもとにした計算であるのだが、毎年のデータを見てもここ10年、この数字はそこまで大きく変わらず、行方不明者のほとんどが発見されているというのは確かなことであると言える。

ただし、この中には、死体となって発見された者も含まれ、全員が無事な姿で発見された訳ではないこともつけ加えておく必要があるだろう。

平成26年の行方不明者数と発見者数の状況

行方不明者数 81,193
発見者数 79,269

(単位:人)資料:警視庁より参考

行方不明届受理から所在確認までの期間

受理当日 26,045
2日〜7日 29,617
1年〜2年 1,982
2年〜 5,412

(単位:人)資料:警視庁より参考

ニュースや張り紙の印象が強く残る

行方不明者が見つかっていないというイメージを抱いてしまうのは、「少年犯罪は増えていない」で述べたのと同様、マスコミによる報道の影響も大きい。

テレビのニュースなどで、行方不明者の事件を知るとする。

しかし、その事件の情報を追いかけ続けていないと、その人が見つかったのか、見つかっていないのかというのは、結局分からないままになってしまう。

あるいは、見つかっていても、別のニュースとの兼ね合いで、行方不明者のその後の行方はほとんど報道されていないような場合もあるだろう。

そうすると、ふとした瞬間、その事件を思い出した時に、行方不明のまま見つかっていないのではという印象を抱いてしまうのではないだろうか。

また交番などにはよく「行方不明者を探しています」という張り紙が貼ってある。

このような張り紙を見ると、行方不明者は見つからないものなのだというイメージを抱きやすいが、先に挙げた通り、実際に見つかっていない行方不明者は、ほんの一握りなのである。

それにも関わらず、まだ見つかっていない行方不明者の張り紙の印象は強く残り、実際にはほとんどの行方不明者が見つかっているのにも関わらず、間違ったイメージを抱いてしまう。

確かに、行方不明者の関係者からすれば、切実な問題であろうが、行方不明者の張り紙を見てそのようなイメージを抱くのは避けなければならない。

では、ずっと行方不明のままになっている人は、どのくらいの数にのぼるのだろうか。

行方不明のまま見つかっていない人の数を算出するには、その年の行方不明者数から発見者数をひけばよい。

この人数の毎年の推移を見ていくと、平成13年の1万5497人をピークに年々下がり続け、平成22年には2188人、更に平成26年になると1924人にまで下がっている。

もちろん、この中には翌年以降に見つかるというケースもあるので、この数字はあくまで、年内に見つからなかった行方不明者の数といくことになる。

問題はこの1924人という数である。

「行方不明者のほとんどが見つかっている」というのは本当のことではあるが、行方不明のままになっている人が年間2000人ほどいるというのを多いと見るか少ないと見るかは、個人の見解の分かれる所であろう。

昔は女性の行方不明者が多かった

行方不明者の男女比、近年までは男性が6割だが、昔は女性の方が多かった。

1982年を境に男女比が逆転し、1992年頃まで、そこまでの差はなかったが、近年では男性の割合が高くなり、男女の差が開いている。

この理由に関しては、「強姦などの凶悪犯罪が減ったことで、被害者=女性の行方不明者も減った」と考えられている。