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日本人と平均収入

日本人と平均収入の嘘

年収の水準を調べるには平均値は向いていない

一向に上向かない日本経済。国民の平均年収は400万円ほどといわれている。

こう聞くと400万円前後の給与をもらっている日本人で一番多いのかと思ってしまうが、実はこれが間違いなのである。

そもそも、そのデータの平均を表す平均値というのは、N個のデータがあった場合、全てのデータを足してNで割ったもので、大まかには中央なのであるが、実際の中央とは異なっている。

国税庁が毎年発表している民間給与調査のグラフに基づいて以下述べていく。

例えば、平成23年度のものがあり、この年の給与所得者の平均年収は409万円である。

しかし、実際にはグラフの中で最も多いのは301〜400万円のところで、次に多いのは201〜300万円のところである。

つまり、300万円前後の人が多いと感じるのだ。

このように、全データ中、最も多く出現する値を最頻値といい、それは平均値とは異なっている。

また、このデータで調査した全ての人を上から下まで金額順に並べた時にちょうど真ん中に来る金額の人も301〜400万円のところに出現する。

この値を中央値という。

平均値というのは実は水準を調べるのには向いていないとされている。

例えば、年収の場合、年収の高いものが多くいればいるだけ、平均年収を押し上げて、実際の水準値とかけ離れていってしまうからである。

このことから、最頻値や中央値の方が、日本で一番多い給与所得者の年収に近いと考えられている。

400万円以下の年収の人が圧倒的に多い

日本人の多くが平均年収以下ということを示すもっと分かりやすいデータがある。

平成26年度の国税庁の民間給与実態統計調査から、400万円以下の人数の比率を見てみよう。

400万円以下の男性は1645万人で、これは全調査人数のうち59.9%、女性は1700万人でこれはなんと90%にのぼり、平均年収より低い年収の人が圧倒的に多いということが分かる。

平均年収より圧倒的に低い女性の最頻値を見てみると、101〜200万円以下の層が最も多く、その数は500万人を超える。

その次に多い201〜300万円以下の層でも400万人を超え、この2つの層だけで400万円以下の女性の5割を超えてしまう。

更に言えば、この調査は全労働者を調べたわけではなく、この調査に含まれていない人たちもいる。

この調査には、源泉所得の納税がある会社の従業員しか含まれておらず、それに該当しない労働者、即ち、自営業や公務員などは含まれていない。

国税庁の発表では、平成23年度の国家公務員の平均年収は653万円、地方公務員の平均年収は683万円で、毎年おおむね600万円台で推移している。

これら公務員を含めるとなると日本人の平均年収は更に上がることとなり、庶民の年収とかけ離れていってしまうことが分かるだろう。

平成25年の平均年収は413万円で、これは前年の408万円に比べ1.4%増加した。

更に平成26年には415万円、前年比0.3%の増加となり、ここ数年は微増傾向にある。

新聞などでも平均年収が上がったという事実をあおり立て、そのような見出しを見ると景気は上向いていると感じてしまうかもしれない。

しかし、多くの人々はこのような記事を読んでも、全く実感できないのではないだろうか。

それは今まで述べてきたように、平均年収というものが日本人の年収の実態とかけ離れているからなのである。

平均年収に比して自分の年収は低い、周りはもっともらっているはずだというのは統計上の錯覚に過ぎず、実際には平均年収以下の人数の方が圧倒的に多いという事実を覚えておいて損はないだろう。

女性の年収は特に低い理由とは

平均年収以下の給与所得者の比率は女性が多い。

結婚や出産で仕事を辞めた女性がパートを始めても、夫の扶養内で働くとなると、130万円以下に抑えねばならず、それ以上稼ぐと扶養を外れて保険料などの免除がなくなってしまう。

そのため、「正社員に復帰できないなら、130万円以下に抑えよう」という女性も多いのである。