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外国人犯罪件数の増加

外国人犯罪件数の増加の嘘

検挙件数も検挙人員も減少してる

もはや街中で外国人を見かけても驚くことがないくらい、我々の日常で外国人を見かけることは珍しいものではなくなった。

しかし、移民の受け入れ議論の中で、外国人の増加が犯罪の増加を招き、治安の悪化につながるという議論がある。

来日外国人が増えている今、外国人による犯罪は増えたのであろうか。

まずは警察庁のデータで来日外国人の一般刑法犯(交通事故や過失などを除いた犯罪者)の検挙件数と検挙人員数の比較を見てみよう。

以下のデータは警視庁より参照。

来日外国人の検挙状況の比較

平成17年 平成26年
検挙件数(件) 33,037 9,664
検挙人員(人) 8,505 5,787

その他外国人の検挙状況の比較

平成17年 平成26年
検挙件数(件) 10,585 7,137
検挙人員(人) 6,281 4,732

平成17年は、中部国際空港の開港や成田空港のチャーター便の増便などにより、来日外国人が爆発的に増えた年である。

平成26年の検挙件数は9664件と前年比で9.5%も減っている。ピークだった平成17年の3万3037件に比べるとなんと3分の1以下にまで減少しているのである。

また、検挙人員の方でも17年の8505人をピークに、26年では、5787人とかなり減っているのが分かる。

来日外国人以外についても見てみよう。

来日外国人以外とは、検察庁の定義によれば、永住者とその配偶者、在日米軍関係者、在留資格不明者とされている。

こちらも検挙件数では、平成17年の1万585件から平成26年には7137件、人員数では6281人から4732人と着実に減っている。

もともと来日外国人による犯罪数の方が多いので、その他外国人の減少率が、来日外国人のそれに比べてゆるやかなのは当然のことである。

いずれにせよ、来日外国人、その他外国人の犯罪が減少しているのは明らかである。

しかし、警視庁では、「我が国の外国人犯罪は高い水準にある」との見解を示している。これはどういうことなのであろうか。

来日外国人の少なかった頃との比較

警視庁は、90年代初頭の検挙状況を引き合いに出して、外国人犯罪の水準が高いと主張している。

確かに1990年、つまり平成2年の来日外国人の検挙人数を見てみると2978人となっており、先に挙げた平成26年の5787人の約2分の1となっている。

また外国人犯罪者の総数における来日外国人の割合を見ても、平成2年が38.7%、平成26年では55%とやはり来日外国人の割合は増えている。

しかし、検挙件数を平成2年並に戻すのはほとんど不可能といって良いだろう。

なぜなら、平成2年と平成26年では来日外国人の数が圧倒的に違うからである。

来日外国人の数がどのくらい変わったのかについては別のデータを見てみよう。

日本政府観光局のデータによると、平成2年の来日外国人数が約323万人であったのに対して、平成26年の来日外国人数は約1341万人であり、24年間で4倍以上に増えているのである。

これをみると、検挙人員の増加が2倍以下にとどまっているというのは、ほとんど奇跡的といって良いほどの少なさではないだろうか。

確かに平成2年と平成26年の検挙人員だけを比較してみると、ほぼ2倍に増えているのは事実である。

しかし、来日外国人の増加数を考慮に入れた場合、その増加率は驚くほど少ないといえるのである。

外国人の犯罪が増えたという印象を抱くのには、少年犯罪増加の嘘の時と同様、過剰報道による思い込みの部分も大きい。

2003年の3人の中国人中学生による福岡一家4人殺害事件や、2005年、広島で小学生を強姦のうえ殺害、公判で「悪魔が乗り移った」と供述したペルー人による広島小1幼児殺害事件などがあった。

また最近でも、2015年には埼玉県熊谷市でペルー人の男が小学生2人を含む6人を殺害して逮捕された。

これらの事件は確かに強烈に記憶に残るが、それをして外国人の犯罪が増加したと結論づけるのは、外国人にとってみれば風評被害のようなものである。

こういった凶悪犯罪はごく一部で、外国人犯罪者の検挙件数、検挙人員は前述の通りピーク時より減っているのが実情である。

国別ではどこの国が多いのか

外国人犯罪者を国籍別に見た場合、最も多いのはどこなのであろうか。

平成27年のデータでは、検挙件数、検挙人員ともに1位は中国で、それぞれ32%、36%と全体の3分の1を占めている。

続くベトナムも件数、人員ともに2位で、こちらはそれぞれ約20%。

件数、人員ともに全体の約半数を中国とベトナムで占める形になっている。