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増加する少年犯罪

増加する少年犯罪の嘘

グラフの一部だけを拡大して大騒ぎ

連日テレビを賑わす少年犯罪。

昨今の日本の少年凶悪犯罪は増加の一途をだどるばかり…などというフレーズはよく聞かれるものであるが、まさかそれを鵜呑みにしていないだろうか。

日本の少年犯罪が増えているというのは完全なデマである。

法務省のデータでは、少年(14才〜20歳以下)による凶悪犯罪(強盗・強姦・殺人・放火の4種類の合計)の検挙人数について。

平成元年には1400件ほどであった検挙人数が平成12年には2250人と増えており、確かに少年凶悪犯罪が増加しているように見える。

このデータだけを見ると思わず納得してしまうだろう。

しかし、昭和のデータまで視野を広げてみると、この増加はほんの些細な増加であることが分かるのだ。

昭和30〜40年代は比較にならないほど少年犯罪が多かったのである。メディアでは平成のデータしか紹介せず、これをして少年犯罪は増加したと宣伝する。

このようなテクニックによって、嘘の事実をさも真実であるかのように思わせるイメージ戦略はマスメディアの得意分野である。

ちなみに、先に言及したグラフデータが平成12年とやや古いので、現在までの少年凶悪犯罪の検挙人数は年々下がっており、平成26年には何と703人まで減少している。

もはや、とても騙せないほどに少年犯罪は少なくなっているのである。

マスコミと警察によるイメージ操作

少年犯罪が増えたと世間に錯覚させるテクニックはもう一つある。

それは過剰報道により、視聴者の脳裏に強烈な印象を植え付け、治安が悪化していると体感させる方法である。

確かに、少年犯罪というのは社会に衝撃を与え、視聴者としてもつい注目してしまうものである。

しかし、これを1日に何時間もわたって特集し、それを何日も繰り返されると、実際の犯罪件数の推移など知らなくても、視聴者の脳裏には少年犯罪のニュースが強烈に焼き付き、「最近、少年犯罪が増えたな」という漠然としたイメージを持ってしまうのである。

また新聞も同様である。龍谷大学の犯罪学の研究者、浜井浩一教授の朝日新聞のデータベースをもとにした「凶悪・殺人、犯罪・被害者に関する新聞記事報道及び殺人認知件数の推移」では、凶悪犯罪の報道記事は、2000年を境に飛躍的に増え、調査の始まりである1985年からは比較すると2001年では14倍にまで増えている。

2000年という年は、前年に起こった山口県光市母子殺害事件など、ショッキングな少年犯罪への注目が高まった年で、それにより報道も過熱の一途をだどったことが分かる。

殺人の認知件数も同じ年に増えており、これは同年に起こった桶川ストーカー殺人事件で、被害届をなかなか受理しなかった警察の不手際に、市民の不満が爆発した結果、認知件数を激増させたためである。

この認知件数の増加も治安悪化を体感させることに一役買っている。

では、マスコミをコントロールして世間に「少年犯罪が増えた」と錯覚させることで得をするのは誰なのであろうか。

一見すると、そのようなイメージを世間に植え付けておいても得をするものなどいないように感じれる。

しかし、「少年犯罪が増えた」と国民が感じれば、国民から治安対策の要望があがる。

そうなれば、警察官僚は治安対策のための予算が獲得しやすくなる。

また、マスコミの方でも、少年犯罪のニュースは高視聴率が見込める格好のネタであるから連日連夜、喜んで過剰報道することになる。

要するに、「少年犯罪の増加」とは、警察とマスコミの利害の一致から生み出された、真実とは異なるイメージ操作に過ぎないのである。

成人による凶悪犯罪も減っている

少年犯罪と同様、凶悪犯罪も増えているように感じるが、こちらも年々減り続けている。

警察白書によれば、昭和35年には1万4000件もあった検挙件数は、平成21年には6073件と半分以上に減っている。

それにも関わらず増えたと感じるのは、やはり過剰報道のせいで、少年犯罪と同様、視聴率の取りやすいネタだからであろう。