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学問の神、天神様

学問の神、天神様の嘘

自然崇拝と御霊信仰の融合で誕生した神

平安時代の学者・菅原道真を祭神とする京都市上京区の北野天満宮は、「天神信仰」の総本社となっている。

天神の名称は菅原道真が「天満天神」「天満大自在天神」という神格で祀られていることに由来している。

天神とは雷神であり、菅原道真が神格化される以前から、自然神として崇拝されていた神をいう。

雷は農作物に不可欠な雨をもたらす恵の神であるのと同時に、轟々たる雷鳴や落雷の被害をもたらす荒ぶる神であった。

天神(雷神)が菅原道真と結びついたのは、「強烈な怨念を抱いて死んだ人は崇りをなす」という日本古来の御霊信仰が根底にある。

道真は当時、政治的に敵対していた藤原氏の策略によって、中央の朝廷から、遥か遠くの九州・太宰府へ左遷されることになってしまった。

道真が左遷先の九州太宰府で没した後、道真左遷に関わった藤原氏一門の不幸が続いたため、世間では「道真が崇り神になった」との空気が醸成され始め、延長8年(930年)の清涼殿落雷事件により、道真と天神が習合し、崇りをなす荒ぶる神としての認識が生じた。

これを受けて藤原氏は世間のイメージを払拭し、霊威の矛先を変えるため、現在の場所に壮麗な社殿を建造し、絶大な霊威を有する善神としての面を強調し始めた。

こうした経緯の中で、生前の道真が優れた学者だったこともあり、いつしか学問の神様としてのイメージが作られて定着したのである。