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紙のリサイクル

紙のリサイクルの嘘

紙の生産増加で森林は保護される事実

日本は世界の三大森林国の1つと呼ばれている。

国土面積の60%~70%を森林が占めている。

その年に利用した木の量を生長した木の量で割ったものを森林利用率といい、年間どの程度利用したのが分かる。

フィンランドやスウェーデンのような森林国では70%~90%程度利用したことになっているのに対して、日本は40%しか利用していないのである。

こういった現状になった背景には多くの原因がある。

そして、こと環境問題という視点で見てみると「紙をリサイクルして森林を保護しよう」というスローガンが広がったことがあげられる。

かつて日本では、森林が乱伐されたような時代があった。

しかしその後、これを是正し森林保護や管理が行われていたのだが、森林をそのまま放って置くことこそが環境保護に繋がるとばかりに利用率が下がってしまったのだ。

世間のイメージでは製紙会社が紙の原料としての森林を無闇に伐採して、森林破壊を加速させているように思われている。

しかし、製紙会社がそう言ったことを行えば、自分たちが使う原料を失い商売が成り立たなくなってしまう。

つまり、そんな無計画なことをする訳がないのである。

元々、紙の原料となる森林は、製紙会社が直接に長期間りしているものばかりだから、紙の生産量が増えることで保護される森林が増えると考えるべきである。

それならば今後、どのようにしたら良いのかといえば、日本の森林はまだ多くが利用できるばかりか、そのほとんどが利用されていない状態なので、これを有効利用すれば良いのである。

日本の森林を有効利用すると年間500万tくらいの紙の生産が望めるといわれているのだ。

世界の森林面積比と森林利用率

日本は国土の森林面積比が69%もあるのに40%しか利用率がない。

そして他国と比較しても低いことがうかがえる。

面積比順位 国名 国土の森林面積比 森林利用率
1 フィンランド 76% 70%
2 スウェーデン 74% 70%
3 日本 69% 40%
15 アメリカ 33% 60%
16 フランス 32% 60%
17 スイス 31% 80%
18 ドイツ 30% 50%

上記の表は、OECD(2004年)を参考にした。

コストが高い再生紙

紙は元来、森林に日光を浴びさせて育った木を利用するものである。

ペーパーレスが叫ばれている昨今、紙は省資源に良いといわれている太陽光発電や水力発電と同様、自然エネルギーを使用するものなので、実はこれからの時代に即したものである。

しかし紙をリサイクルするとなると、トラックでの収集や、紙についているインクを取り除く作業などに石油や化学薬品を使うことになってしまう。

太陽を利用したものが新しい紙、石油を使ったのが再生紙といった構図になるので、単純に考えても新しい紙を使った方が省資源になることが分かるはずだ。

その上、再生紙を作るためには、新しい紙を作る時にかかる石油の2倍以上の量が必要になってしまう。

そうして2倍以上のコストをかけて無理して再生紙を完成させたところで、3回もリサイクルすれば劣化してもうボロボロになってしまう。

紙のリサイクルでは、細かい字までよく見えるものにするために、これに耐えうる白さを取り戻さなければならないからである。

多くの方の記憶にあるだろうが、2008年に製紙会社の再生紙偽装事件が起こった。

再生紙偽装事件

それまでに発行された全ての年賀はがきの古紙配合率が偽装されており、40%と表示されていたものが1~5%という低い配合率だったという事件。

それと、政府官庁が購入していた100%再生紙が実は半分くらいの古紙配合率しかなかったという事件である。

この事件が衝撃的だったのは、私たちの常識の範疇では中古品を新品と偽ることはあっても、新品を中古品として販売してしまうという感覚が全く理解できなかったからである。

今や誰もが、小学校の時代から古紙回収による紙のリサイクルは環境を守るためと教えられるだろう。

そして誰もが、ずっとそれは良い行いであると洗脳されてしまっていたことに気づかなかった点に原因はあるのかも知れない。

現在、日本で使われている木材の80%は輸入されているものだが、自国の森林を活用すれば80%が自給できるといわれている。

材木の森林利用率の低下は外国からの輸入した方が安い体ということもあるが、リサイクルに無駄な費用をかけているくらいであれば、自国の森林を有効利用した方が得策なのではないだろうか。

無理やり作った再生紙より少しばかり高価でも、新しい紙を作る方が環境面でも経済面でもまだマシなはずなのである。

再生紙神話は新聞社の保身から!?

環境問題についての関心が世の中でも大きくなった時、新聞社は紙を大量に使うので、そのことを批判されると考えた。

そこで新聞社は新聞紙を100%リサイクルすれば、原料は全く減らないといった論陣を張ったのである。

このこともコストを無視した再生紙神話が生まれた要因の1つとなったといわれている。