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エディプス・コンプレックス

エディプス・コンプレックスの嘘

エディプス・コンプレックスをあなたはご存知だろうか?

女性
女性
聞いたことないわ。
きよら
きよら
もしかしたら聴き慣れない言葉かもしれませんね。

しかし、その分野を勉強したことがある方にとってはきっと耳慣れた言葉だろう。

今回は、エディプス・コンプレックスの内容とその真実についてあなたにお話ししていく。

母を独占し父を敵視する心的葛藤

よく子供が、「大人になったらお母さん(お父さん)と結婚する」と言う。

これはかつての精神医学の権威フロイトによれば、生まれながらに誰もがもっている性的願望の現れであり、エディプス・コンプレックスが関わっているとされている。

しかし、エディプス・コンプレックスは、現代の精神医学ではカルトの領域の理論である。

父親を殺し、母親と結婚した人物として知られる、ギリシア神話のオイディプス王にちなんで名付けられたエディプス・コンプレックス。

そして、エディプス・コンプレックスは、オーストリアの精神科医、ジークムント・フロイトが唱えた説である。

フロイトは、幼児にも性欲があるとし、幼少期の男の子は誰でも、無意識下で母親に対して性的な欲望をもっており、母親を自分だけのものにしようとする傾向があると考えた。

それにより、男の子は、母親の配偶者である父親を敵とみなし対抗意識を持つことになる。

しかし、絶対的な存在である父親には勝てず、その報復として、父親に去勢されるのではないかという被害妄想を抱き葛藤する、とフロイトは主張した。

それから後に、母親を手に入れることも、絶対的な存在である父親を排除するときにともできないと分かった男の子は、近親相姦と父親への対立を諦め、自立の道へと進んでいくと説いた。

そして、人間社会はエディプス・コンプレックスを文化的に抑圧することで、近親相姦をタブーとし社会を成立させてきたと説いた。

即ち、エディプス・コンプレックスは、人間社会の成立に深く関わっているというのがフロイトの主張であった。

フロイトの理論に証拠ナシ

しかし人類が近親相姦を避け、社会を成り立たせているのは、エディプス・コンプレックスとは無関係であることが証明された。

フロイトと同時期に活躍した、フィンランドの人類学者エドワード・ウェスターマークは、「幼少期に共に過ごした男女はお互いに性的魅力を感じなくなる」という説を唱えた。

この説はウェスターマーク効果と呼ばれた。

そして、ウェスターマーク効果は、世界の様々な場所で観測された事実であった。

イスラエルのキブツという共同生活を行うコミュニティでは、血縁関係のない男女が一緒に育てられるが、彼ら同士が結婚することはほとんどない。

また、台湾や中国などでは、血縁関係のない幼女と男子を一緒に育てて、結婚させることがあるが、大抵は女性が結婚に抵抗し、離婚率は平均の3倍もあった。

また、子供の数も平均的な夫婦と比べ40%も少なく、不倫の確率も高いことが分かっている。

即ち、人間社会で近親相姦を避けられているのはエディプス・コンプレックスを抑圧し、文化的に近親相姦をタブーとしているからではなく、「幼少期に共に過ごした異性との結婚を避けよ」という脳からの命令によるものであった。

もちろん、同時代のフロイトはこの説を耳にしていたが、「くだらない」と一蹴しただけで、真っ向から反論することはなかったと言われている。

フロイトは、19世紀に蔓延していた女性のヒステリーの治療から無意識の存在に気付き、人間の行動のほとんどは無意識が決定づけていると説いた。

それ自体は大きな功績で、現代の精神医学のもととなり、その後の発展に大きく貢献したことに疑いはない。

しかし、エディプス・コンプレックスをはじめ、夢分析や心の三層構造、リビドーと呼ばれる性的エネルギーの存在など、その後フロイトが提唱した学説は、今ではどれもまともな理論として認知されていない。

それからフロイトの理論には、いずれも治療実績(エビデンス)が示されておらず、現代の精神医学界では、そのような理論は科学として扱われていないのである。

かつて精神医学界を席巻し、後の思想家たちにも影響を与えたエディプス・コンプレックスも今や過去の遺物と成りはてたのである。

エレクトラ・コンプレックス

フロイトの弟子であるユングは、エディプス・コンプレックスの女子版である『エレクトラ・コンプレックス』を唱えた。

幼女が父親を独占し、母親に対して強い対抗意識を燃やすというものだ。

フロイトは、弟子のこの名称を否定し、女子の場合にもエディプス・コンプレックスと呼んだが、いずれにせよ今ではカルト扱いの代物であることに違いはない。